日朝、もし戦わば 上、下
著者:濱野 成秋
ゴマブックス
北朝鮮との戦争に至るまでの前哨戦的な小説です。
初めから北朝鮮が敵前提でストーリーが進むので、わかりやすいながらも、少し引っかかりました。
それらを置いておいても、ありえそうに感じる世の中の動きを描き出していると思います。
特に軍事的(テロ的な?)な活動においては、現在の弱い部分を突いていると感じさせる部分がたぶんにありました。
特に自分の態度や言葉が自分を縛って、相手に有利にしかなってゆかないもどかしい部分を感じました。
なにげに読んでいる本の紹介と感想をつれづれなる感じでつぶやいています。
濱野成秋は社会文学研究会でも話題になりました。日本人のサラリーマンの目の前でテロが次々起こるシーンとか、スーパーに買い出しに殺到した客が缶詰一個を奪い合うあさましさとか、山へ逃げ込んでアウトドアのテントで過ごすほかない人たちとか、ものすごっくリアル。日本人がもう戦争なんかされると、何もできなくておろおろするだけの民族だということがよくわかる。そこを書いている目は今までのどの作家にもなかった。
返信削除